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平成22年度第3回懇談会議事メモ

H22年度第3回科学技術データベース懇談会議事メモ

開催日時: 平成22年11月29日(月) 9:30~12:00

開催場所: 産業技術総合研究所 秋葉原支所11F 大会議室2

配布資料

  • H22-3-1:H22年度第3回科学技術データベース懇談会プログラム
  • H22-3-2:H22年度第2回科学技術データベース懇談会議事メモ
  • H22-3-3:話題提供資料1
  • H22-3-4:話題提供資料2
  • H22-3-5:話題提供資料3

議事内容:(以下敬称略)

1.話題提供

「デジタルアースからサステナビリティを考える

Research Center on International Digital Earth Applied Science へ 」

  • 慶應義塾大学  福井 弘道 先生

2.討議

3.次回予定

*当日の議論の状況に応じ、予定プログラムを変更した。

1.話題提供(福井先生)

1a.認識科学、設計科学、新しい学術

■認識科学と設計科学の連携(新しい学術)

  • -認識科学としての地球科学→地球の急所を知る→自然、社会現象のモニタリング(地球観測)→GEOSS、MEA
  • -設計科学としての地球科学→適応制御の可能性を探る→脱温暖化のための低炭素社会の創造→COP-FCCC、CBD、CCD

■地球トータルシステム(3E=Earth Science、Ecology、Economy)

  • -地球は複数のシステムが組み合わさった複雑なシステム
    • →相互に連携した縫い目の無しの自然を扱うためには、相互運用可能な情報システムが必要

1b.サステナビリティサイエンス

■サステナビリティ・サイエンス

  • -地球社会を持続可能なものへと導くためのビジョンを構築するための礎となる新しい超学的な学術
  • -サステナビリティ→環境容量の把握が重要

1c.空間情報科学/GIS/デジタルアースからのアプローチとその動向

■ジオインフォマティクス(GI)

  • -GI System、GI Science、GI Serviceの3層からなる
  • -GI Systems:人間圏における環境・空間の認知 → モニタリング、センシング、GIS、RS
  • -GI Science:人間行動・情報流のモデル化 → シミュレーションに寄与
  • -GI Service:価値観・信条・理念の創造 → 政策立案などに寄与

■地理空間情報活用モデルの例

  • -資源情報共有DBやリアルタイム情報共有DBの活用によるグリーンイノベーションへの貢献

■Global Security Research Institute (http://www1.gsec.keio.ac.jp/index.php)

  • -慶應大に設立、「人間安全保障のための危機管理学に関する研究」 を担当
  • -Global Security
    • ・新しいリスク社会(テロ、通貨金融危機、エネルギー問題等)への対応
    • ポイント:データの動的可視化、突発的事象への対応

■Digital Earth

  • -The Digital Earth Vision(Gore, 1998)
    • ・人間と環境の間の複雑なインタラクションの解明を求める研究者の協力の場
    • ・1つのユーザーインターフェースはブラウザブルな地球
  • -2006年Digital Earthの国際学会が北京にて発足、Taylor & Francisから「International Journal of Digital Earth」発刊

  • -Digital Earthの想定データフロー
    • ・データ収集→デジタルリソース→相互運用→各種ツール→アプリケーション提供
  • -GEOSSやSensorWebコンセプトの紹介

  • -Digital Earthではインターネットを介し、Viewer、Catalog Service、Server等を相互運用、共通インターフェースを開発
  • -Digital Earthのフレームワーク
    • ・Network、Network Service、Application & Content、Serviceの4つのプロバイダー構成

    • ・デジタルマップ、統計情報、画像はApplication & Contentプロバイダーに含まれる

    • ・Serviceプロバイダーからエンドユーザーへ災害管理などのサービスが提供される
    • ・Digital Earthではメタデータ、3次元データ、センサー、座標マッピング等の規格を整備

■空間情報/デジタルアース関連の主な動向

  • -公的、民間、個人といった様々な主導者が公的機関、研究者、一般市民向けのサービスを実施(例:SDI、Geobrowsers、GEOSS、VGI参加型GIS)
  • -空間情報/GIS Digital Earthの利活用例
    • ◯デザインと国土:流域生態系をベースに考える国土
      • ・環境容量/自立度(太陽光発電賦存量、CO2固定容量等)
      • ・マテリアルバランス(水資源、食料自給等)
      • ・景観生態学(生物多様性等)
      • などの把握に活用

1d.次世代デジタルアース

■次世代デジタルアースのビジョンへ

  • -異なる利用者のニーズに合致した多様な地球データベース
  • -健康や環境といった問題志向型
  • -時空間的な類似や相似の発見を可能に
  • -将来のシナリオや予測にアクセスが可能なこと

■アクションプラン

  • -自然、社会科学の各ドメインオントロジーの構築と相互連携
  • -データ定義とメタデータクリアリングハウスの構築
  • -地球環境問題のためのワンストップポータルをデジタルアース上に構築
  • -IDEAS(仮称)の設置

■ポータルや基盤技術開発の紹介

  • -DIAS(データ統合解析システム):ポータル
  • -データの相互流通性の実現支援システムのプロトタイプの開発・実証
    • ・オントロジーを媒介にデータの内容定義・構成を関連付け
    • (土地利用、機構、水循環等々多岐に渡る)

■デジタルアジア

  • -アジア中心のデジタルアース
  • -Natural:地球観測、空間情報基盤・統計情報に基づく、準リアルタイムの空間情報処理多次元ブラウザ
  • -Social:ニュース、コメント、ブログからの情報とオントロジーを用いた検索システム
    • →Natural由来サービスとSocial由来サービスの連携による新たな価値創造

■Sentinel Asiaプロジェクト-社会的実利用・ニアリアルタイム例

  • -宇宙(APRSAF)、Digital Earth/Web-GIS(Digital Asia)、国際機関、防災(ADRC)の各コミュニティの協力
  • -救援連携におけるSentinel Asiaの役割:国際的災害応答コミュニティへ向けたシステムの提供
  • -洪水の冠水地域判断(予測)や森林火災等の例が紹介
  • -Sentinel Asiaと統合GISの連携
    • ・Sentinel Asia、Furusato GIS Center、岐阜県の連携、洪水災害への対応例の紹介
    • ・災害復旧、復興への利用の紹介
  • -Sentinel Asiaの氷河湖決壊洪水モニタリングWGの取り組み
    • ・ICHARM、慶應大、ICIMOD、ADRC、JAXA(幹事)の連携
    • ・ヒマラヤ山脈Imja湖にて実施
    • ・太陽光発電ベースのワイヤレスセンサーネットワークによる早期警戒システムの紹介

■IDEASの設立(@中部高等学術研究所)

  • -International Digital Earth Applied Science Research Center(IDEAS)
  • -Capacity Buildingを行う人材の育成が目的
    • ・個別のモニタリングから多様な情報を統合し、付加価値のあるレポート作成、企画・政策立案ができる人材
  • -計画支援システム、総合リスク情報マネジメントシステムの紹介
  • -国際救急支援基地情報の紹介(例)
    • ・4つのテーマ
    • 1)リアルタイムな情報の共有を目指す新たな地域整備の実現
    • 2)防災を視点とする新たな産業群の開発
    • 3)ボランティアマインドによる新たな文化の創出
    • 4)アジアを対象とする国際救急支援体制の実現
  • -Global Forest Observatory
    • ・森林の定義で森林面積が変わる→データ定義の合意が重要(MODISデータの活用)
    • ・観測→検証→組込→アウトプット
    • ・2年に1度データを計測し、デジタルアースで公開

2.討議

Q:質問、A:回答、C:コメント

<データの公開と共有>

  • Q. データを共有する環境だが材料DBやスペクトルDBはビジネスと結びつきがあり、オープンには出来ない部分があり、状況が少し異なる。地理空間情報の環境はどういう形で形成されたのか?
  • A. 大縮尺のものはセキュリティ上NG。衛星画像であれば、民間で販売。
  • A.  GIS学会や地球科学はデータをつくることを奨励。
  • Q. 材料分野ではどうか?
  • A. 自分だけデータを所有するような状況。スペクトルは分析機器とセットで販売することもある。こうした現状を変えることが重要。
  • A. 社会的対応の問題、私的財産という視点が材料分野に存在。
  • A. 材料にはレシピ・ノウハウがあり、隠す傾向がある。それがデータをオープン化するモチベーションに結びつかない理由の一つ。
  • A. 材料データは共有されないが、クリープデータはどこでも基準として利用され、共有が進んでいる。

<ビジネスモデル>

  • C. 地理空間情報/GISの分野では、蓄積されたデータでなく、データを利用し付加価値をつけたサービス(事業)で収益を出す。

<データ評価>

  • Q. 地理空間情報/GISの分野における、データの信頼性と時間的な変化(故意の撹乱情報に対する対応)についてはどうか?
  • A. 専門家によるデータ評価を体系的に実施する必要がある。(評価だけを実施するのは難しい)
  • Q. 材料分野ではどうか?
  • A. 近年は自社計測や依頼測定で得られたデータは公開されない。それらが公開されるようになると、評価が実施できるようになるかもしれない。

<外部との連携>

  • Q. GEOGridとの連携は?
  • A. GEOGridのVirtual Organizationの一つであり、データを提供して頂いている。
  • Q. 外国との協力関係はスムーズか?
  • A. スムーズである。
  • Q. IPCCや国際機関への政策への寄与はいかがか?
  • A. クライメートゲート事件など、結局人手で行って起こってしまったので、データを活用してサポートしたい。
  • C. 地球温暖化のデータをSIトレーサブルにするとか、政策に影響するデータは客観性があって良いと思う。
  • C. トレーサブルにするだけでなく、研究費を含めて考える必要がある。40年掛けて取得したクリープデータ、100年蓄積した気象データも忘れられてしまう。

<海外動向>

  • Q. 中国がリードしている分野か?
  • A. リモートセンシングはそうである。
  • A. CODATAのWGなどでは中国の方が具体的な提案をしており、熱心である。
  • A. 次期CODATAのプレジデントも中国の人。そういった活動をしている事が大切。

<その他>

  • Q. サービスを作り出すための研究は大学ではどうか?
  • A. Location Service、Open street map等、精度やレプテーションなどの問題はあるが、個人ベースで実施。
  • Q. 異分野の人がコミュニケーションを形成するきっかけは何か?
  • A.共通のプラットフォームがあって、コミュニティが形成されてきた。
  • Q. 設計科学の観点から何か新しいものが出てきたという事はあるか?例えば、環境の問題では、可逆、不可逆の閾値など。
  • A. 関心はそこにある。IPCCとか平均気温とか、平均の取り方とかWeb上で公開すべき。空間データでも取り組みたい。
  • Q. 観測と時系列データの取得は大量かつ多様でハンドリングが大変ではないか?
  • A. 情報爆発の典型例である。
  • Q. 地球を構成するような物質のデータはシミュレーション等に必要か?
  • A. 必要だが、そうしたものの値は昔から変化がない。

3.次回予定

次回開催: 2011年3~4月を目安に開催

会名:  H22第4回(もしくはH23年度第1回)科学技術データベース懇談会

事務局: 産総研(馬場、山下)

場所: 未定